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「カップボードって、結局何mmにすればいいんですか?」
打ち合わせの席で、この質問をされない日はないというくらい、よく聞かれます。カタログを開けば900mm、1200mm、1600mm、1800mm、2400mmと規格幅がずらりと並んでいて、どれもそれっぽく見えてしまう。正直、迷って当然だと思います。
10年間プランナーをやってきた立場から正直に言うと、カップボードの幅選びには明確な正解があります。見た目やなんとなくの雰囲気で決めるのではなく、「中に何を入れるか」から逆算する。これだけです。
📌 この記事はこんな人向けです
- 1600mmと1800mmのどちらにするか迷っている
- ゴミ箱や炊飯器がちゃんと収まるか不安
- 間取り上、幅に制約があってどう工夫すればいいか知りたい
カップボードの幅は「逆算」で決める
実は、幅を決める順番を間違えている方がとても多いです。「このスペースに収まる幅は?」からスタートしてしまうと、後になって「ゴミ箱が入らない」「炊飯器の蒸気が棚に当たる」といった困りごとが出てきます。
正しい順番は次の3ステップです。ゴミ箱をいくつ・どのサイズで置きたいか、炊飯器や電気ケトルなどの家電をどこに置くか、そして食器や日用品をしまう引き出しにどれくらいの幅が欲しいか。この3つを積み上げていくと、必要な幅は自然と見えてきます。
💡 幅を決めるときの3ステップ
- ステップ1:ゴミ箱をいくつ、どのサイズで置きたいか決める
- ステップ2:炊飯器や電気ケトルなど、置きたい家電を洗い出す
- ステップ3:引き出しにどれくらいの幅を持たせたいか考える
打ち合わせでも、まずはこの3つを丁寧にヒアリングするところから始めています。ゴミの分別方法やご家族の人数によっても最適な幅は変わってくるので、「みんなが使っている幅だから」という理由だけで決めるのは避けたいところです。
幅1600mm|人気だけど「あと少し」の壁がある
カップボードの中でも1600mmは人気の高いサイズです。価格も抑えやすく、キッチンとのバランスも取りやすいので、最初の候補としてよく挙がります。ただ、プランナーとして正直にお伝えすると、1600mmには明確な制約があります。
一般的なゴミ箱は1個あたり幅300mm前後。分別のために2個並べると、それだけで600mmを使ってしまいます。1600mmから600mmを引くと、残るのはたったの1000mmです。この1000mmで炊飯器スペースと引き出し収納の両方をまかなおうとすると、かなり窮屈になります。
📏 1600mmの内訳シミュレーション
ゴミ箱2個:600mm
残りスペース:1000mm
└ 炊飯器スペース400mm+引き出し600mmになりがち
カタログの完成イメージ写真は、いわば「理想の配置例」です。実際のご家庭の分別方法や家電のサイズまでは反映されていません。3分別以上をされているご家庭では、ゴミ箱だけでスペースの大半を使ってしまい、炊飯器スペースを検討する余地すらなくなることもあります。
✅ 1600mmでも問題ない人
ゴミ分別が1〜2種類・炊飯器を天板に置いてもよい・引き出し収納が少なめで足りる方
1600mmで進めるなら、どこかを「割り切る」覚悟を
とはいえ、間取りの都合でどうしても1600mmしか取れないケースは珍しくありません。その場合、私が現場で提案しているのは次の2つの工夫です。
工夫①:炊飯器スペースをなくす
炊飯器を天板の上やスライド式の可動棚に置くスタイルに変えると、専用スペースが不要になります。浮いた1000mmをまるごとゴミ箱と引き出しに回せるので、収納量を確保しやすくなります。ただし、天板の上に家電を置くと調理スペースがその分狭くなる点は、事前に納得しておきたいポイントです。
工夫②:ゴミ箱を1個にする、またはスリムタイプにする
分別を1個のゴミ箱で兼用したり、幅200mmほどのスリムなゴミ箱に替えたりすることで、ゴミ箱スペースを縮小できます。空いたぶんを炊飯器や引き出しに回せば、全体のバランスが取りやすくなります。
どちらの方法にも共通しているのは、「全部は入らない」という前提に立ち、何を優先するかを先に決めておくということです。ここを曖昧にしたまま発注すると、住み始めてから「思っていたのと違った」という後悔につながりやすくなります。
幅1800mm|無理なく「ちょうどいい」
プランナーとして、多くのご家庭にすすめているのが1800mmです。内訳を見ると、その理由がよく分かります。
💡 1800mmの内訳
- ゴミ箱スペース:600mm(2個分)
- 炊飯器スペース:400mm
- 引き出し収納:800mm
合計:ちょうど1800mm
ゴミ箱2個、炊飯器、そして十分な引き出し収納。この3つすべてを無理なく満たせるのが1800mmです。1600mmとの差はわずか200mmですが、この200mmがあるかないかで、日々の使い勝手はかなり変わってきます。
実際、当初1600mmで計画していた方に間取りをもう一度確認していただき、1800mmに変更できないか検討してもらうことは少なくありません。キッチン全体のレイアウトやカウンターの位置を少し調整するだけで、200mmを捻出できることも意外と多いのです。諦める前に、一度プランナーに相談してみる価値はあると思います。
また1800mmであれば、炊飯器スペース上部の吊り戸棚や可動棚の高さにも余裕を持たせやすくなります。炊飯器は機種によって蒸気の吹き出し口の位置が異なり、高さのあるモデルほど上部空間が必要です。1600mmで無理に配置すると、この上下のクリアランス不足も同時に起こりやすいので、幅だけでなく高さ方向のゆとりという意味でも1800mmは扱いやすいサイズです。
✅ 1800mmがおすすめな人
ゴミ箱2個・炊飯器・十分な引き出し収納をすべて確保したい方
幅2100mm以上|さらに余裕を持たせたいなら
キッチンスペースに余裕がある場合は、2100mmや2400mmといった、さらに大きな幅も選択肢に入ってきます。1800mmの内訳に、電子レンジやオーブンレンジ専用のスペース・ストック品や来客用食器をしまう追加の収納・コーヒーメーカーやトースターなどサブ家電の定位置をプラスできるイメージです。
家族の人数が多いご家庭や、来客の多いご家庭では、2100mm以上を確保することで、キッチンまわりをすっきり片付いた状態に保ちやすくなります。ただし幅が大きくなるほど価格も上がり、キッチン全体の圧迫感にもつながるので、必要な収納量とのバランスを見ながら決めていきましょう。
経験上、2100mm以上を選ばれる方の多くは「将来的に家電が増えるかもしれない」ということまで見越して余裕を持たせています。お子さんの成長に合わせてホットプレートや電気圧力鍋などの調理家電が増えていくご家庭も多く、購入時点でぴったりのサイズにしてしまうと、数年後に置き場所に困ってしまうことがあります。
✅ 2100mm以上がおすすめな人
家族が多い・来客が多い・将来的な家電の増加も見込みたい方
幅を最終決定する前にチェックしたい3つのこと
① 実際に使うゴミ箱のサイズを測る
カタログの標準サイズではなく、ご自宅で使う予定のゴミ箱の幅を実際に採寸しておきましょう。購入予定のゴミ箱が決まっていれば、そのサイズを基準に計画するのが確実です。
② 使用中の家電のサイズを確認する
炊飯器は容量によって本体サイズがかなり違います。5.5合炊きと1升炊きでは幅も奥行きも変わるので、買い替えの予定がある場合は、少し大きめの家電にも対応できるスペースを見込んでおくと安心です。
③ 引き出しにしまいたいものを洗い出す
カトラリー、菜箸やキッチンばさみなどの調理小物、ラップやアルミホイルなどのストック品。引き出しに入れたいものを一度リストアップしてみると、想像以上に量が多いことに気づく方が多いです。
プランナーKの本音:迷ったときの選び方
🙋 現役プランナーとして正直に言うと……
幅で迷ったとき、私がよく伝えているのはシンプルです。
「迷ったら、まず1800mmを基準に考えてみてください」
1600mmは価格や設置スペースの面で魅力的に見えますが、ゴミ箱・炊飯器・引き出しという3大要素をすべて満たすには、少し幅が足りません。一方1800mmであれば、多くのご家庭で無理のない配置が実現できます。もちろん、間取りの都合でどうしても1600mmしか取れない場合もあります。その際は「炊飯器スペースをなくす」「ゴミ箱を1個かスリムタイプにする」といった工夫を前提に、どちらを優先するかを事前に決めておくこと。これが、後悔しないための一番のポイントです。
まとめ:幅選びの結論
- 📏 幅は逆算 → ゴミ箱・家電・引き出しから決める
- ⚠️ 1600mm → ゴミ箱2個+残り1000mmで炊飯器と引き出しの両立が難しい
- ✅ 1800mm → ゴミ箱600mm+炊飯器400mm+引き出し800mmで無理なく収まる
- 📐 2100mm以上 → 家族が多い・来客が多いなら余裕を持たせる
- 🙋 迷ったら → まず1800mmを基準に検討する
キッチンは毎日使う場所だからこそ、数センチ・数十センチの違いが、この先何年もの使い勝手を左右します。カップボードの幅で迷ったときは、ぜひこの記事の内訳を参考に、ご自宅のキッチンに置き換えてシミュレーションしてみてください。
ショールームで実物を確認してから決めましょう
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