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パントリーのサイズはどう決める?奥行き・通路幅の目安を現役プランナーが解説

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「パントリーって、結局どれくらいの広さがあればいいんですか?」

これもカップボードの幅と同じくらい、よく聞かれる質問です。住宅情報誌やSNSで見る「1畳のウォークインパントリー」という言葉に憧れて、なんとなく1畳で計画してしまう方は少なくありません。でも実際に暮らし始めてから「思ったより窮屈」「奥の物が取り出しにくい」と後悔するケースを、現場ではたくさん見てきました。

10年間プランナーをしてきた立場から正直に言うと、パントリーのサイズは「畳数」で決めるものではありません。棚の奥行き・通路幅・棚ピッチという3つの寸法を積み上げて、初めて「使えるパントリー」になります。この記事では、実務で使っている具体的な数値をもとに、後悔しないパントリー設計のコツをお伝えします。

新築やリフォームの間取り相談では、キッチン本体や水まわりの配置を先に決めてから、パントリーは最後に「余ったスペースに合わせて」決めてしまう方が少なくありません。しかしパントリーは、食品ストック・調理家電・日用品のストックまで受け止める、キッチン収納の要となるスペースです。ここでのサイズ決めを誤ると、暮らし始めてからの使い勝手に直結します。

この記事では、ウォークイン・ウォークスルー・壁面収納それぞれのタイプ別の目安寸法から、棚の奥行き・通路幅の具体的な数値まで、現場での実務経験をもとに整理していきます。

📌 この記事はこんな人向けです

  • パントリーを何畳にすればいいか迷っている
  • ウォークイン・ウォークスルーのどちらにするか決めかねている
  • 棚の奥行きや通路幅の具体的な数値を知りたい
目次

「1畳あれば十分」は半分正解、半分間違い

結論から先にお伝えすると、1畳(約182cm×91cm)という広さ自体は、収納するだけなら十分な面積です。ただし、その中に「棚」と「人が動くスペース」を両方詰め込もうとすると、途端に窮屈になります。

実務で最初にお伝えしているのは、畳数ではなく有効寸法で考えるということです。片側だけに棚を設置するシンプルな構成であれば、有効幅900〜1000mm×有効奥行き350〜450mm程度が、実用に耐える最小ラインになります。この寸法があれば、食品ストック・調味料・保存容器といった日常的によく使うものは無理なく収まります。

💡 最小構成の目安

  • 有効幅:900〜1,000mm
  • 有効奥行き:350〜450mm
  • 棚ピッチ:100〜150mm(可動式)

一方、「ウォークインパントリーにしたい」というご要望は非常に多いのですが、1畳前後の面積で無理にウォークインにしてしまうと、通路幅が狭くなる・棚の奥行きが中途半端になる・結果として収納量が思ったほど増えない、という3つの問題が同時に起こりやすくなります。現場の本音として、1畳ちょうどでウォークインを計画するくらいなら、片側棚だけの壁面収納タイプにした方がよほど使いやすくなるケースが多いです。

棚の奥行きは「45cmを超えたら死蔵ゾーン」

パントリーの使い勝手を大きく左右するのが、棚の奥行きです。ここを深くしすぎると、収納量は増えても奥の物が取り出しにくくなり、結果的に「あることを忘れて同じ物を買ってしまう」という状態になりがちです。

目安としては、奥行き30〜35cmがもっとも使いやすいゾーンです。これはA4ファイルボックスが縦でも横でも収まるサイズで、調味料や食品ストックの管理にちょうどいい深さです。ホットプレートや大きめの保存容器など、サイズの大きい物を収納したい場合は45cm程度まで広げますが、それ以上深くするのはおすすめしません。

📏 棚奥行きの使い分け

30〜35cm:調味料・食品ストック・保存容器(もっとも使いやすい)
45cm程度:ホットプレート・大型調理家電など
60cm以上:奥の物が死蔵しやすいため非推奨

現場でよく提案しているのは、棚柱(ダボレール)を複数列用意しておき、奥行き30cmと45cmの2種類の棚板を使い分けられるようにしておく方法です。収納する物に応じて棚の奥行きを変えられるので、後から「奥行きが合わない」という後悔を避けられます。

また棚板そのものの幅にも注意が必要です。板幅は80〜90cm程度が一般的な上限で、これを超えると収納した物の重みでたわんでしまったり、最悪の場合は棚が崩れ落ちてしまったりすることがあります。壁面が長い場合は、途中で棚柱を追加し、板を分割する形にしましょう。

通路幅は「1人なら60cm、2人なら80〜90cm」

ウォークイン・ウォークスルータイプのパントリーを検討する場合、忘れてはいけないのが通路幅です。棚の奥行きばかりに気を取られて通路幅を削ってしまうと、実際に使うときに身動きが取りにくくなります。

基本の目安は、1人で出入りして作業する分には60cm程度あれば無理なく動けます。ただし、キッチンで作業している人とパントリーに出入りする人がすれ違う可能性がある場合は、80〜90cm確保しておくと余裕を持って使えます。ウォークスルータイプで玄関や洗面室とつなぐ動線を兼ねる場合は、廊下と同じ感覚で80cm程度を目安に考えるとよいでしょう。

🚶 通路幅の目安

60cm:1人で出入り・作業するだけなら十分
80〜90cm:すれ違いが発生する、または荷物を持って移動する場合
80cm前後:ウォークスルーで動線を兼ねる場合(廊下と同等の感覚)

両側に棚を設けるウォークインタイプを計画する場合、棚の奥行きが45cmずつだとすると、それだけで90cmを使ってしまいます。ここに通路幅60cmを足すと、壁の内法寸法で150cm程度が必要になる計算です。片側だけに棚を設けるコンパクトな構成であれば、内法寸法105cm程度でも成立します。

ウォークイン・ウォークスルー・壁面収納、どれを選ぶか

パントリーには大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴と、向いているご家庭のタイプを整理しておきます。

💡 パントリー3タイプの目安寸法

  • ウォークイン:間口170〜180cm×奥行き85〜100cm、広さ1〜2畳が目安
  • ウォークスルー:通路幅60〜80cm確保、2畳以上あると回遊性が両立しやすい
  • 壁面収納タイプ:幅90〜180cm×奥行き45cm程度、限られたスペースでも設置可

ウォークインパントリーは、人が中に入って作業できる小部屋のような形式です。収納力が高く、調理家電や備蓄品もまとめて収納できますが、ある程度の面積が必要になります。棚をL字型やコの字型に配置すると、デッドスペースを減らしながら収納効率を高められます。

ウォークスルーパントリーは、キッチンと玄関・洗面室などをつなぐ通路を兼ねる形式です。買い物から帰ってそのまま食材を収納できる動線の良さが最大の魅力で、現場でも人気の高いタイプです。ただし出入口が2カ所になる分、同じ面積のウォークイン型と比べると壁面が減り、収納力はやや低くなる点は理解しておく必要があります。

✅ ウォークスルーがおすすめな人

買い物から帰る動線を短くしたい・玄関や洗面室とキッチンをつなげたい方

壁面収納タイプは、間仕切りを設けずに壁一面を棚にするシンプルな形式です。幅90〜180cm、奥行き45cm程度あれば十分に機能し、市販の組み立て式ラックで代用することもできます。スペースに余裕がない場合や、コストを抑えたい場合に向いています。

パントリーに家電スペースを作ると、カップボードの幅にも余裕が生まれる

ここは見落とされがちですが、実はとても重要なポイントです。パントリー内に炊飯器や電気ケトルを置ける奥行き(目安45cm程度)を確保しておくと、カップボード側で炊飯器スペースを割く必要がなくなります。

以前、カップボードの幅選びについての記事でもお伝えしましたが、幅1600mmのカップボードは「ゴミ箱2個で600mm、残り1000mmを炊飯器と引き出しで分け合う」という、やや窮屈な内訳になりがちです。ここでパントリー側に家電スペースを確保できれば、カップボードの1000mmをまるごと引き出し収納に回せるようになります。結果として、1600mmのカップボードでも1800mm相当の使い勝手を実現できることがあります。

💡 パントリー×カップボードの合わせ技

パントリーの棚に奥行き45cm程度のスペースを1段確保 → 炊飯器・電気ケトルをそちらに移動 → カップボード側の炊飯器スペース400mmが不要になり、その分を引き出しや別の収納に回せる

これは、カップボードとパントリーを別々に検討していると気づきにくい発想です。キッチン全体の収納計画を立てる際は、カップボードだけ・パントリーだけで考えるのではなく、「家電をどちらに置くか」という視点で両方を同時に見ておくと、限られたスペースをより有効に使えます。

プランナーKの本音:畳数より「棚の使い方」で決めてほしい

🙋 現役プランナーとして正直に言うと……

パントリーの相談を受けるとき、私が最初に聞くのは「何畳欲しいですか」ではなく「何を収納したいですか」です。

畳数を先に決めるのではなく、収納したい物をリストアップしてから棚の奥行き・通路幅を積み上げる

これが、後悔しないパントリー設計の一番の近道です。1畳という数字に憧れて計画したものの、実際に使ってみると通路が狭くて棚の奥が取り出しにくい、という声を何度も聞いてきました。逆に、収納したい物をリストアップしてから逆算すると、1.5畳や壁面収納タイプの方が結果的に使いやすいケースは珍しくありません。

収納したい物から逆算する簡単な手順

最後に、実際にパントリーのサイズを決める際の簡単な手順を紹介します。

①収納したい物をカテゴリーごとにリストアップする
食材、調味料、調理器具、日用品など、カテゴリーごとに分けて書き出してみましょう。これによって、必要な棚の段数やおおよそのスペースが見えてきます。

②よく使う物と、たまにしか使わない物を分ける
毎日使う調味料は取り出しやすい高さの棚に、季節家電やストック品は上段や下段に配置する、というゾーニングの考え方があると、限られたスペースでも使いやすさが大きく変わります。

③棚の奥行き・通路幅を積み上げて必要な面積を割り出す
ここまで整理できたら、棚の奥行き(30〜45cm)と通路幅(60〜90cm)を組み合わせて、必要な有効寸法を計算します。この順番で考えると、「なんとなく1畳」ではなく、根拠のあるサイズにたどり着けます。

まとめ:パントリー設計の結論

  • 📏 畳数より有効寸法 → 棚奥行き・通路幅を積み上げて決める
  • 🧺 棚奥行き → 30〜35cmが基本、大型家電なら45cmまで
  • 🚶 通路幅 → 1人なら60cm、すれ違うなら80〜90cm
  • ⚠️ 1畳ちょうどのウォークイン → 通路が狭くなりやすく要注意
  • 🙋 迷ったら → 収納したい物をリストアップしてから逆算する

パントリーは一度作ってしまうと、後から棚の奥行きや通路幅を変更するのは簡単ではありません。だからこそ、なんとなくの畳数ではなく、実際に収納したい物と使い方をイメージしながら、寸法を積み上げて計画することが大切です。この記事の数値を参考に、ぜひご自宅の間取りに当てはめてシミュレーションしてみてください。

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