カップボードの奥行きの選び方
奥行きは、カップボード選びで最も後悔が出やすいポイントのひとつです。「広い方が安心」と思って深くしすぎると通路が狭くなり、逆に浅すぎると置きたい家電が乗らない——という両方向の失敗が起きます。ここでは外さないための考え方を、順番に整理します。
奥行きは「置く家電」から逆算して決める
先に間取りやデザインから奥行きを決めてしまう人が多いのですが、順番が逆です。まず「ここに何を置くか」を決め、その家電の奥行きを測ってからカップボードの奥行きを選びます。
目安として、電子レンジは奥行き40cm前後の機種が多く、カップボードの奥行きは45cm以上あると「まったく置けない」という事態を避けやすくなります。ただし大型のオーブンレンジ(ヘルシオなどの高機能タイプ)は奥行きが50cm近くあり、ハンドル部分まで含めるとさらに張り出すため、45cmでは収まりきりません。
現場でよく見落とされるのが炊飯器です。炊飯器用のスライドスペースを設ける場合、5合炊き以上の大きめの炊飯器だと、奥行き45cmでは収まりきらないことがあります。さらに注意したいのが、炊飯器を引き出してフタを開けたときの奥行き。フタが上の棚や家具本体に当たってしまうこともあるので、フタを開けた状態まで含めて採寸しておくと安心です。
奥行きは45cm・55cm・65cmが基本。向き・不向きを知る
主要メーカーのカップボードは、おおむね次の奥行きから選ぶ形になります。
| 奥行き | 向いている人・使い方 | 注意点 |
| 45cm | 通路を広く取りたい/置く家電が小型中心 | 大型オーブンレンジは乗らないことがある |
| 55cm | 標準的な家電をひと通り置きたい | メーカーにより選べない場合あり |
| 65cm | 大型家電や奥行きのある調理家電を使う | 通路が狭くなりやすい |
現場の感覚では、マンションでは45cm、戸建てでは55cm前後を選ぶ方が多い印象です。また、上に吊り戸棚を付けるなら、カップボードの奥行きは浅めのほうが、上の棚や奥の物に手が届きやすくなります。
【プロが教える落とし穴】カタログの奥行き=収納できる奥行き、ではない
カップボードの「奥行き」はあくまで本体・カウンターの寸法であって、引き出しの中に実際に収まる内寸はそれよりかなり小さくなります。扉や前板の厚み、背面の構造、スライドレールの仕組みなどで奥行きが食われるためです。
たとえば本体の奥行きが45cmでも、引き出しの内寸は30cm程度しかないケースがあります。奥行き65cmのタイプでも内寸は50cm前後にとどまります。「奥行きを取ったのに思ったほど入らない」という後悔は、このギャップを知らないことが原因です。
さらに、メーカーの既製品では、奥行きがあっても引き出しを最後まで引き切れず、奥まで使い切れないこともあります。本体の奥行きに対してしっかり収納量を確保したいなら、フルオーダーの家具製作会社に依頼するのも一つの方法です。
奥行きと通路幅はトレードオフ。ここで多くの人が悩む
奥行きを深くすればたくさん置けますが、その分キッチンとカップボードの間の通路が狭くなります。通路が狭いと、引き出しや食洗機・オーブンの扉を開けたときに人とぶつかる、すれ違えない、といったストレスが毎日続きます。逆に通路を広く取りすぎると、振り返ったときにカップボードに手が届きにくくなることもあります。
つまり「奥行き」は単体ではなく、通路幅とセットで決めるべき寸法です。目安としては、ひとりで使うことが多く同時作業が少ないなら85cm前後、家族が後ろを行き来するなら100cm程度がおすすめです。通路が110cm以上になると、調理中にカップボードからお皿を取るのに、振り返ってさらに一歩前に出ないと届かなくなり、かえって動きにくくなります。
このセクションのまとめ
奥行きは「置く家電を測る → 45/55/65cmから選ぶ → 引き出し内寸と通路幅まで確認する」の順で決めれば大きく外しません。
・カップボードの引き出しと開き扉、どちらを選ぶ?後悔しない決め方
・カップボードの幅の選び方|後悔しないサイズ決めのコツ
・失敗しないための採寸・計画チェックリスト
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