結論:吊り戸棚の後付けはできる。取り付けできないケースはほとんどない
「吊り戸棚をつけなかったけど、やっぱり収納が足りない」「後から付けられるか知りたい」という相談は現場でもよく受けます。結論から言うと、吊り戸棚の後付けは可能です。現役プランナーとして多くの後付け案件に関わってきましたが、取り付けできなかったケースはほとんどありません。ただし壁の構造・既存のカップボードとのバランス・費用の3点を事前に確認しておくとスムーズに進みます。この記事では、後付けの現実を正直に解説します。
後付けを検討したらまず施工した工務店・ハウスメーカーに相談する
後付けを考えたとき、最初にすべきことは家を建てた工務店やハウスメーカーに連絡することです。壁の構造や下地の位置は、施工した会社が一番よく把握しています。「ここに吊り戸棚を付けたい」と伝えるだけで、取り付け可能かどうか・どこに下地があるかをすぐに確認してもらえます。
新築の場合は竣工図面が手元にあるはずです。図面には壁の構造や下地の位置が記載されているため、それをもとに判断してもらえます。リフォームの場合も、施工した業者に問い合わせると早く解決できます。まずはここから始めるのが一番手軽で確実です。
工務店やハウスメーカーへの連絡が難しい場合や、自分で確認したい場合は、ホームセンターで売っている下地センサー(壁裏探知機)を使う方法があります。壁の上を動かすと下地がある場所で反応します。費用は2,000〜3,000円程度です。
壁の下地がない場合でも心配しなくて大丈夫
「下地がない場所に吊り戸棚を付けたい」という場合でも、諦める必要はありません。柱や間柱を利用して取り付けることができます。間柱は一般的に455mm間隔で入っているため、希望する位置の近くに必ず柱か間柱があります。現場の経験上、柱・間柱を使えばほぼ希望通りの位置に取り付けることができます。
取り付けできないケースは非常にまれで、現役プランナーとして多くの後付け案件に携わってきましたが、取り付け自体ができなかったという経験はほとんどありません。壁の構造に不安がある方も、まずは業者に相談してみることをおすすめします。想像より柔軟に対応してもらえることがほとんどです。
ただし取り付け位置が柱・間柱の位置に左右されるため、希望通りのサイズの吊り戸棚が付けられない場合はあります。その場合はオーダー家具でサイズを合わせる方法が有効です。
マンションは要注意:パイプスペースを必ず確認する
マンションにお住まいの方は、キッチン背面の壁にパイプスペース(配管スペース)がないかを必ず確認してください。パイプスペースがある位置にビスを打つと、給水管や排水管を傷つける危険があります。最悪の場合、水漏れや配管の損傷につながり、大規模な工事が必要になることもあります。
パイプスペースの位置は、マンションの竣工図面で確認できます。図面は管理組合や管理会社が保管していることが多いので、工事前に必ず確認を取るようにしてください。図面が入手できない場合は、管理会社に直接問い合わせると教えてもらえることがほとんどです。
パイプスペースを避けた位置であれば問題なく取り付けできます。マンションだからといって後付けを諦める必要はありません。事前確認さえしっかりすれば、戸建てと同じように後付けできます。
後付けの方法は大きく2つ
① 既製品の吊り戸棚を購入して取り付ける
リクシル・パモウナ・ニトリなどのメーカーから後付け用の吊り戸棚が販売されています。サイズが豊富で費用も抑えやすいのがメリットです。ただし既存のカップボードやキッチンとデザイン・色が完全に一致しないことがあります。気になる場合は、既存のカップボードと同じメーカー・シリーズで吊り戸棚が後付けできるかをメーカーに確認してみてください。同シリーズで揃えると統一感が出ます。
② オーダーで製作する
設置場所のサイズに合わせて1mm単位で製作できます。既存の家具との統一感が出やすく、スペースを無駄なく使えるのが強みです。費用は既製品より高くなりますが、見た目の完成度を重視する方や、柱・間柱の位置の都合でサイズが限られる場合に有効な選択肢です。
後付けにかかる費用の目安
後付けの費用は、選ぶ吊り戸棚の種類と工事の内容によって大きく変わります。
既製品+取り付け工事の場合
吊り戸棚本体:3万〜10万円程度
取り付け工事費:1万〜3万円程度
合計:4万〜13万円程度が目安です。
オーダー製作の場合
サイズや素材によって異なりますが、10万〜30万円程度になることが多いです。費用を抑えたい場合は複数の業者に見積もりを取ることをおすすめします。1社だけで決めてしまうと相場より高くなることがあります。
後付けしたあとに後悔しないためのポイント
高さと奥行きを慎重に決める
後付けの場合、取り付け高さを後から変えることができません。カップボードの天板から吊り戸棚の下端まで65cm程度を確保すると、蒸気の影響を受けにくく手も届きやすい位置になります。奥行きは30〜35cmが使いやすい目安です。
照明も同時に検討する
吊り戸棚の下にLED照明を設けると、カップボードの手元が明るくなって作業しやすくなります。後付けで照明だけを追加するのは手間がかかるので、吊り戸棚の取り付けと同時に検討しておくのがおすすめです。
コンセントの位置を確認する
吊り戸棚を付けた後に「コンセントが隠れてしまった」という後悔もよく聞きます。取り付け前にコンセントの位置を確認して、吊り戸棚の配置に影響がないかを確かめておきましょう。
後付けを検討するときのチェックリスト
・施工した工務店・ハウスメーカーに相談した(または竣工図面を確認した)
・壁の下地位置を確認した(下地センサーまたは業者に確認)
・マンションの場合はパイプスペースの位置を確認した
・取り付け高さ(天板から65cm程度)と奥行き(30〜35cm)を決めた
・既存のカップボードとサイズ・デザインのバランスを確認した
・照明・コンセントの位置も同時に確認した
・複数の業者に見積もりを取った
まとめ
吊り戸棚の後付けは、ほとんどのケースで問題なく実施できます。現役プランナーとして多くの後付け案件に関わってきましたが、取り付け自体ができなかったという経験はほとんどありません。まずは施工した工務店やハウスメーカーに相談することが一番の近道です。マンションの場合はパイプスペースの確認だけ忘れずに行えば、スムーズに進みます。「やっぱり収納が足りない」と感じている方は、ぜひ一度専門家に相談してみてください。
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