カップボードで「住んでから」後悔しやすいポイント
奥行きと扉のタイプ(前のセクションで解説)を押さえても、実際に住み始めてから「ここを見落としていた」と後悔するポイントがいくつかあります。ここでは、施主目線でとくに多い“住んでから気づく後悔”を整理します。どれも図面の段階でつぶしておけるものばかりです。
① コンセントの数と位置で足りなくなる
カップボードの上には、電子レンジ・炊飯器・電気ケトル・コーヒーメーカーなど、思った以上に家電が集まります。コンセントの数や位置を決めずに進めると、「差込口が足りない」「家電を置いたらコンセントが隠れて使えない」という後悔につながります。使う家電を書き出し、口数と高さを図面に落とし込んでおくと安心です。
また、最近の炊飯器はIH式が多く、意外と電力を使います。電子レンジと同時に使ってブレーカーが落ちないよう、専用回路をどこに設けるかも合わせて考えておくと安心です。
② 炊飯器・ケトルの「蒸気」で棚が傷む
炊飯器や電気ケトルは大量の蒸気を出します。これを閉じた棚や引き出しの中、あるいは吊り戸棚の真下で使うと、湿気で棚板や扉が傷んだり、カビの原因になったりします。蒸気の出る家電は、手前にスライドして引き出せる家電収納部に置けるよう計画しておくと安心です。
吊り戸棚を付ける場合は、カップボードの天板から下端までを65cm程度とると、蒸気が気になりにくく、上の棚にも手が届きやすい位置になります。
③ ゴミ箱の置き場を決めていない
ゴミ箱の場所は後回しにされがちですが、住み始めると意外と困ります。カップボードの下にゴミ箱スペースを設けると動線はラクになりますが、その分の収納は減ります。逆に置き場を決めないと、通路にゴミ箱がはみ出して邪魔になります。容量と個数(分別の数)を先に決め、定位置を確保しておきましょう。
ゴミ箱の品番(サイズ)を先に決めておくと、必要な幅が明確になります。スペースをぴったり確保できるうえ、ゴミ箱の上部に引き出しや棚を足せたり、余ったぶんを別の引き出しに回せたりと、収納の自由度が上がります。
④ カウンターの高さが体に合わない
カップボードのカウンター(作業天板)の高さも、使い勝手を大きく左右します。低すぎると前かがみで腰がつらく、高すぎると作業しにくくなります。標準とハイカウンターから選べることが多いので、よく使う人の身長に合わせて選びましょう。ショールームで実際に立ち、作業する姿勢を確かめるのがおすすめです。
キッチンは85cm前後が標準ですが、無理にそこへ合わせる必要はありません。背の高い人なら90〜95cmでも使いやすく感じます。さらに天板の上に炊飯器などを置く場合は、その家電のぶん作業面が高くなることも見込んで、カップボードの高さを選びましょう。
⑤ 収納を詰め込みすぎる
「せっかくだから容量いっぱいに」と考えがちですが、住み始めると物は増えていきます。最初から100%埋まる前提で計画すると、すぐに入り切らなくなります。全体の7〜8割が埋まるくらいを目安にしておくと、後から物が増えても余裕を持って対応できます。
収納が増えると、その分だけ物も増えていきがちです。入る量に収めることを意識し、扉や引き出しで中が見えないからと詰め込んで、ごちゃつかせないようにするのが大切です。
⑥ キッチン本体との「色・面材」が合わない
カップボードだけで決めてしまい、キッチン本体やLDK全体との色・素材のバランスを見落とすと、「空間に統一感がない」という後悔につながります。扉の色や面材は、キッチン本体・床・建具との相性で選ぶと、空間がすっきりまとまります。
たとえば床に無垢材のフローリングを使っているなら、その素材感に合わせて選ぶとよいでしょう。ステンレス・木材・メラミンといった素材の種類を2〜3種類に抑えると、それだけで統一感が出ます。なお、オーダーでカップボードを作る場合は、無理にキッチン本体の色へ合わせる必要はありません。もともと別素材の製品どうしを無理に揃えようとするより、家具単体としてまとまって見えるよう意識するほうが、きれいに仕上がります。
このセクションのまとめ
奥行きと扉に加えて、コンセント・蒸気・ゴミ箱・高さ・容量・色——この6点を図面の段階で確認しておくと、“住んでから”の後悔はぐっと減らせます。
エアリゾーム インテリア 本店
・カップボードの引き出しと開き扉、どちらを選ぶ?後悔しない決め方
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