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カップボードで「住んでから」後悔しやすいポイント|現役プランナーが解説

カップボードは一度設置したら、簡単には変えられません。だからこそ、住んでからの後悔を防ぐための情報を事前に知っておくことがとても大切です。

10年プランナーをやってきた中で、施主から「こうすればよかった」という声を何度も聞いてきました。不思議なことに、後悔のパターンはほぼ決まっています。この記事では、現場でよく聞く後悔ポイントを具体的に解説します。どれも設計段階で確認しておけば防げるものばかりです。

目次

① コンセントの数と位置で後悔する

カップボードの周りには、電子レンジ・炊飯器・電気ケトル・コーヒーメーカー・トースターなど、思った以上に多くの家電が集まります。設計段階でコンセントの数と位置を決めずに進めると、住み始めてから「差込口が足りない」「家電を置いたらコンセントが隠れた」という後悔につながります。

特に見落とされがちなのが、炊飯器と電子レンジの同時使用です。どちらも消費電力が大きいため、同じ回路に繋ぐとブレーカーが落ちやすくなります。できれば専用回路を1系統設けておくと安心です。コンセントは後から増やすのが大変な工事になるため、設計段階で「少し多めに」付けておくのが現場でのおすすめです。目安として4〜6口程度確保しておくと余裕が生まれます。

② 炊飯器・ケトルの蒸気で棚が傷む

炊飯器や電気ケトルは大量の蒸気を出します。これを閉じた収納の中や吊り戸棚の真下で使い続けると、棚板や扉が湿気で膨らんだり変色したりする原因になります。

現場でよく見るのは、吊り戸棚の真下に炊飯器を置いてしまい、蒸気が吊り戸棚の底板に当たり続けて変色・変形するケースです。炊飯器の置き場を決めるときは、蒸気がどこに向かうかを必ず確認してください。スライド式の家電収納を設ければ、炊飯時だけ引き出して蒸気を逃がせるので有効な対策になります。カップボードの天板から吊り戸棚の下端まで65cm程度のスペースを確保しておくと、蒸気の影響を受けにくくなります。

③ ゴミ箱の置き場を決めていなかった

住み始めてから一番困りやすいのが、ゴミ箱の置き場です。後回しにしてしまった結果、通路にはみ出して邪魔になったり、キッチン周りが散らかる原因になったりするケースが多いです。

ゴミ箱の置き場は、品番(サイズ)を先に決めてからカップボードの幅を設計するのが正しい順番です。ゴミ箱のサイズが決まれば必要な幅が明確になり、その上に引き出しや収納を追加できるかも判断できます。分別の個数(燃えるゴミ・プラスチック・缶びんなど)も先に整理しておくと、設計がスムーズになります。

④ カウンターの高さが体に合わなかった

カップボードのカウンター(天板)の高さも使い勝手に大きく影響します。低すぎると前かがみで腰がつらく、高すぎると作業しにくいです。

カップボードの高さはキッチン本体に合わせることが多いですが、必ずしも同じにする必要はありません。家族の中でカップボードを一番よく使う人の身長に合わせるのが基本です。身長160cmの方なら850〜860mm前後、身長170cm以上の方なら880〜900mm程度が使いやすい目安です。ショールームで実際に立って作業する姿勢を確かめてから決めてください。また、カウンターの上に炊飯器や電子レンジを置く場合は、その家電の高さ分だけ作業面が上がることも考慮に入れましょう。

⑤ 収納量を詰め込みすぎた

「せっかくだから収納をたっぷり確保したい」という気持ちはよく分かります。ただし、最初から100%埋まる前提で計画すると、住み始めてすぐに入り切らなくなります。物は住み始めると必ず増えるからです。

現場でよくおすすめしているのは、現状の持ち物の量に対して7〜8割程度が埋まるくらいの収納量を目安にすることです。残りの2〜3割を「余白」として持っておくことで、引越し後に物が増えても余裕を持って対応できます。また、たっぷり収納があると「扉を閉めれば見えないから」とごちゃごちゃに詰め込みがちになります。取り出しやすさを意識した収納計画にすることが、長く使いやすい状態を維持するコツです。

⑥ キッチンとの色・素材が合わなかった

カップボードだけで色や素材を決めてしまい、キッチン本体や床・建具との相性を見落としてしまうと、「なんか空間がまとまらない」という後悔につながります。

LDK全体の色調を2〜3色に絞るとまとまりやすいです。キッチン本体・カップボード・床・建具のどれかと色を揃えるか、トーンを合わせるだけで統一感が出ます。ただし、オーダー家具でカップボードを作る場合は、必ずしもキッチンメーカーと同じシリーズで揃える必要はありません。むしろ床や壁の素材感に合わせて選ぶ方が、空間全体がきれいにまとまることが多いです。

⑦ 搬入経路を確認していなかった

これは設置後に発覚する最も深刻な後悔のひとつです。大型カップボードは、購入前に玄関・廊下・ドアの開口幅などの搬入経路を必ず確認しておく必要があります。特にマンションではエレベーターのサイズが搬入の制限になることがあります。

「設置場所には収まるのに、搬入できなかった」というケースは実際に起きています。購入前に搬入経路の幅・高さを測っておき、大型の場合は分割搬入ができるかどうかをメーカーや施工業者に確認してください。

後悔しないための確認チェックリスト

・コンセントの口数と位置を図面に書き込んだ
・炊飯器と電子レンジの専用回路を検討した
・蒸気の出る家電の置き場と吊り戸棚との距離を確認した
・ゴミ箱の品番とサイズを先に決めた
・カウンターの高さを実際に立って確認した
・収納量は現状の7〜8割が埋まる程度を目安にした
・キッチン・床・建具との色・素材の相性を確認した
・搬入経路の幅と高さを測った

まとめ

カップボードの後悔は、設計段階で一つひとつ確認しておけばほぼ防げます。コンセント・蒸気・ゴミ箱・高さ・収納量・色・搬入経路——この7点を図面の段階でプランナーや業者と一緒に確認しておくことをおすすめします。「後で何とかなる」と後回しにしたポイントが、住み始めてから毎日のストレスになることが多いです。設計段階の確認に時間をかけることが、長く快適に使えるカップボード選びの一番の近道です。

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